本の感想「母」青木さやかさんのエッセイ 実母との確執と最期の別れ

本のこと

こんにんちは。

40代独女のMOMOです。(プロフィールはこちら)

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タレントの青木さやかさんのエッセイ「母」のご紹介です。

「どこ見てんのよ!」の切れキャラで芸人としてブレイクした青木さやかさん。

現在は結婚・出産・離婚をへて女優、エッセイストとしても活躍されています。

プライベートでは、実の母親との確執を抱えていた青木さん。

厳格だった母との確執と和解、そしてタバコとパチンコにおぼれた過去や

芸人としてブレイクしたあとの苦悩を綴ったエッセイ「母」のご紹介です。

ところどころで「クスッ」と笑える部分もあり、いつのまにか青木さんの不器用だけど実直な人柄をとても好きになっていました

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母(はは)

タイトル 「母」
著  者  青木さやか(あおき さやか)
出 版 社  中央公論新社
発 行 日  2021年5月10日

※こちらの記事は可能な限りネタバレしないように書いています。

作者紹介

青木さやかさんてどんな人⁉

  • 1973年生まれ。愛知県瀬戸市出身のお笑いタレント、女優、エッセイスト
  • 2003年に「どこ見てんのよ!」のギャグでブレイクし、近年は演劇にも多数出演
  • 2007年に結婚し、2019年に女児を出産。2012年に離婚をしシングルマザーとなる
  • 母との確執などをつづったエッセー「母」を出版するなどエッセイストとしても活躍

作品紹介

母がホスピスに入った。

母がいなくなる。嫌悪していた母が、いなくなる。ようやく、みえなくなる。

-「母」8月のホスピス-より

大嫌いだった母がホスピスに入ることが決まり、

これが嫌悪していた母と和解する最後のチャンス。

だけど無理だった。頭では理解していても、無理だった。

「世の中には、道理があるんだ。親孝行すれば、自分がラクになれるよ」

動物愛護活動の手伝いで知り合った友人の言葉に励まされ、青木さんは母と向き合うことを決意します。

母が入院するホスピスへと車を走らせながら、青木さんは何度も自身を奮いたたせながら、

勇気をふりしぼって、母親が待つ病室へと向かいます。

若く美しく聡明で、自慢だった母。

そんな母を憎悪するようになったのは、高校生の頃、両親が離婚したことがきっかけだった。

なによりも世間体が大事で、それを押し付けてきた母に矛盾と嫌悪を感じはじめる…

* * * * *

エッセイ「母」は母親との確執と、和解するまでの苦悩や葛藤が描かれています。

同時に上京をしアルバイトを転々としながらパチンコとタバコに溺れた過去や、

自身も子を持つ母親になり、離婚をし、2度のガンの手術を経験した日々が、

絶妙なユーモアのエッセンスを交えながら綴られています。

生きづらさを抱え、もがきながらも前にすすむ、等身大の青木さやかさんの姿が詰まった一冊です。

感想

幼少期に親に褒められた記憶がない人は、意外と多いのでは?

小学校の校長までつとめ上げた青木さんのお母様。

青木さんがテストでいい点数をとろうと、ピアノを頑張ろうと決して誉めてはくれなかったそうです。

若く美しく聡明で、世間体がなにより大切な母に褒められたくて、

与えられた課題を必死にこなしていた少女時代の青木さん。

しかし決して褒めてはもらえない「飢え」が、やがて母への嫌悪と変わっていきます。

と、ここで私は気がつきました。

アレ?そうえいば私も母親に褒められた記憶がない…

私も母に褒められた記憶はありませんが、そのことをこれまで意識せずに生きてきました。

幼少期に「母に褒められたい」と思ったことも、褒められるための行動をしたこともありません。

ただ1つ違うのは、他人と比較されたり、否定されたりしたことがないことです。

幼少期に親から褒められた記憶がない人って、意外と多いのではないでしょうか?

親から褒められないことより、他人と比較して否定され続けることの方が、

子供の心に大きな「飢え」とダメージを与えてしまうのかもなぁ…

と、読んでて思った次第です。皆さまはどうお感じでしょうか?

「自分が嫌い」の根本が母親との関係にあった

自分のことが大嫌い。だから自分を認めてくれる人たちを信用できない。

大嫌いな母親の影を、自分の中にも見出してしまう。

そんなとき、自分をどうしようもなく嫌いになってしまう。

これは同性同士の親子ならではの感情だと思います。

母との関係に問題を抱える私自身にも、突き刺さる言葉でした。

自分を愛せない根本的な原因を解決するには、母と和解するしかないと感じていた青木さん。

「親孝行すれば、自分がラクになれるよ」の友人の言葉に励まされ、

実際に行動した青木さんの、その後の心境の変化が読んでいて嬉しくなりました。

母親になってもやっぱり嫌いだった母

子供ができたら親に感謝できるようになる」

誰もが一度は耳にする、この言葉。

そして私のように子供を持たないものには、永遠に確かめることができない言葉でもあります。

青木さんも「出産したら、母に感謝できるかも」という期待を持ってました。

しかし現実は真逆で、そんな自分に愕然としたそうです。

子供ができたらみな等しく親に感謝できるようになるなんて、やはり幻想だったか…

と、子を持たない私の永遠のナゾを解決してくれたようで、スッとしました。

「子供ができたら親に感謝できるようになる人もいる。そうでない人もいる」

こんなふうに世間の常識がかわれば、ムダに傷ついたり自分を責める人が減るのかもしれません。

まあ、なにごとも人それぞれなんですね。

おわりに(昔みた「オーラの泉」を思い出す)

「母」を読みながら昔みたテレビ番組「オーラの泉」を思い出しました。

青木さやかさんがゲストだった回がなぜか印象的で、今でも覚えていたからです。

その番組内で美輪さんと江原さんは、青木さんにしきりに

「お母さんに褒めてもらいたかったんだよね」

というようなことを仰っていたと記憶しています。

なぜいまだに覚えていたかというと、お母様との関係を指摘されたときの青木さんの表情が、

とてもこわばっていて、緊張と動揺を隠しきれない様子に見えたからです。

当時、青木さんは「どこ見てんのよ!」でブレイクしている真っ最中で、

今のようにお母様との関係を公表していなかったと思います。

さらに番組内で青木さんは、なにか文章を書くようにお二人にアドバイスされていたと記憶します。

「母」を読みながら、あの時の青木さんのこわばった表情の理由がわかり、

人間味あふれる青木さやかさんの人柄が好きになりました。

青木さやかさんの最新作はこちら購入できます

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