こんにんちは。
40代独女のMOMOです。(プロフィールはこちら)
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2023年6月某日、東京・上野にある東京都美術館で開幕した展覧会
「マティス展 HENRI MATISSE:The Path To Color」へ行ってきました。
日本で約20年ぶりに開催されるアンリ・マティスの大回顧展です
アンリ・マティスとは?
- 1869年、北フランス、ノール県で誕生。20世紀を代表するフランスの巨匠。(1954年、84歳で没)
- パリ国立美術学校でギュスターヴ・モローに師事。のちに伝統的な絵画から脱するべく模索し、「フォーヴィスム(野獣派)」のリーダーとして脚光を浴びる。
- のちに南仏ニースに移住し、集大成といわれる南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂を手掛け、生涯をとおし色と形による造形的な探求を続けた。
「マティス展」は会場の一部のエリアのみ写真撮影が可能です。
今回は写真撮影が可能だった作品を中心にお伝えします。
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マティス展 HENRI MATISSE:The Path To Color
マティス展の詳細をチェック
- 会 期:2023年4月27日(木)~8月20日(日)
- 開館時間:9:30〜17:30(毎週金は9:30〜20:00※入館は閉館の30分前まで)
- 観覧料金:一般2,200円、大学生・専門学校生1,300円、65歳以上1500円、高校生以下無料
- 休 館 日:月曜日他
※詳細は東京都美術館公式HPでご確認ください
マティス展の音声ガイドナビゲーターは女優の上白石 萌歌(かみしらいし もか)さんです。
歌手でもある上白石さんのやわらかい美声が印象的でした。
平日限定の100円お得な音声ガイドセット券(2750円)もあるので、こちらのチケットを購入しました。
マティス展の見どころは⁉
- 約20年ぶりの開催!20世紀芸術の巨匠アンリ・マティスの大回顧展
- 世界最大規模のマティスコレクションを誇るパリ、ポンピドゥー・センターから名品約150点を紹介
- “フォーヴィズム”の夜明け、マティス初期の傑作≪豪奢、静寂、逸楽≫日本初公開
詳細は公式HPをチェック
日本でも人気が高いアンリ・マティスの初期から晩年までの作品を一挙にみられるチャンス!
平日でも多くの人で賑わっていました
マティス展の作品を写真で紹介
写真撮影が可能だった第4章~第6章エリアの作品を中心に、展覧会の作品リストに沿って紹介します。
第1章 フォーヴィスムに向って(1895ー1909)
※写真撮影禁止エリア
豪奢、静寂、逸楽
1904年秋ー冬 油彩/カンヴァス
- 第1章のエリアではマティスの初期の傑作≪豪奢、静寂、逸楽≫が展示されている
- 点描画の巨匠、ポール・シニャックの影響を受けた作品
このエリアでは画家としてのアイデンティティを確立していく最初期から、大胆な筆致と色彩による「フォービスム(野獣派)」の立役者へと向かっていくマティスの作品が展示されています
第2章 ラディカルな探求の時代(1914ー1918)
※写真撮影禁止エリア
金魚鉢のある室内
1914年春 油彩/カンヴァス
- セーヌ川に臨む窓のアトリエ空間を描いた作品
- 中央に描かれた金魚鉢が窓の内と外をつないでいる
第2章ではマティスがアトリエと開放的な窓というモチーフによって、内と外を融合させながらひとつの絵画空間を成立させようとする試みが紹介されています
第3章 平行する探求―彫刻と絵画(1913ー1930)
※写真撮影禁止エリア
背中Ⅰ‐Ⅳ
写真は公式HP(こちら)の第3章をクリックしてください。
1909-30年 ブロンズ
- 20年以上かけて制作された4点の等身大の女性象
- マティスは折々の造形的な課題に応じてこの原型に立ち返り、これらの作品を制作した
第4章 人物と室内(1918ー1929)
扇を持つスペイン女性
1923年 木炭、擦筆/アルシュ紙
ピアノの前の若いヴァイオリン奏者
1924-26年 木炭、擦筆/アングル・ダルシュ紙
若いスペイン女性
1921年 油彩/カンヴァス
赤いキュロットのオダリスク
1921年秋 油彩/カンヴァス
- マティスは自身のアトリエをアルジェリアやモロッコ旅行から持ち帰ったり、パリの骨董屋で買い求めたりしたカーペット、屏風、壁掛けなどで飾り、ひとつのミニチュア劇場を作りだした
- 絵画を構成する色や形など諸要素の相互作用や関係から緊張感を生み出すこと、そしてその緊張から、絵画表面を統一することに取り組んだ作品
イスラムのスルタンに使える女性「オダリスク」
こちらの作品はマティスにとって重要な主題であるオダリスクの最初の作品です
ニースの室内、シエンタ
1922日年1月頃 油彩/カンヴァス
グールゴー男爵夫人の肖像
1924年 油彩/カンヴァス
石膏のある静物
1927年 油彩/カンヴァス
緑色の食器戸棚と静物
1928年 油彩/カンヴァス
第5章 広がりと実験(1930ー1937)
夢
1935年 油彩/カンヴァス
- モデルはリディア・デレクトルスカヤ。マティスのアシスタントを務めたのちに秘書・お気に入りのモデルとして、マティスの死まで傍らにいた
- 安息するリディアの上半身が画面全体に配置され、心理的かつ造形的な充足感が表現されている
座るバラ色の裸婦
1935年4月ー1936年 油彩/カンヴァス
- モデルはリディア・デレクトルスカヤ
- 度重なる消去や単純化といった操作の痕跡をあらわにしながら、最終的には徹底的な幾何学形態となった作品
鏡の前の青いドレス
1937年 油彩/カンヴァス
第6章 ニースからヴァンスへ(1938ー1948)
ラ・フランス
1939年 油彩/カンヴァス
緑色の大理石のテーブルと静物
1941年9月 油彩/カンヴァス
マグノリアのある静物
1941年12月 油彩/カンヴァス
- マティスが「実験のタブロー(油絵)」と呼んだうちの1点
- 数カ月かけ数十点もの準備デッサンを経て制作された
若い女性と白い毛皮の外套
1944年 油彩/カンヴァス
立っているヌード
1947年 油彩/カンヴァス
黄色と青の室内
1946年 油彩/カンヴァス
- 「ヴァンス室内画」シリーズの第1作
- 大きな陶製の壺や果物、骨董店で見つけてきた肘掛け椅子などマティス絵画ではおなじみの事物が配置されている
イエロー×ブルーの美しい配色のこちらの作品
今回の展示作品のなかでも、特に多くの人の目を引いていました
赤の大きな室内
1948年春 油彩/カンヴァス
- 展覧会のパンフレットの表紙にも起用されており、「ヴァンス室内画」シリーズを締めくくる作品
- 光としての色彩をめぐるマティスの仕事が凝縮されている
描かれている事物はすべて2つで1組になっているので、ひとつずつ確かめながら鑑賞しました
『芸術・文学雑誌ヴェルヴ』
表紙デザイン:アンリ・マティス
- マティスの革新的な芸術実践を印刷物をとおして紹介した出版社・批評家のテリヤード氏が創刊した雑誌『ヴェルグ』
- マティスは第1号から参加しており、彼の切り絵は複数の号の表紙を飾った
第7章 切り紙絵と最晩年の作品(1931ー1954)
※写真撮影禁止エリア
馬、曲芸師、道化(版画シリーズ《ジャズ》より)
版画シリーズ《ジャズ》1947年
- 切り紙絵に画家の筆跡による文章をつけた「色彩の本」
- 「ジャズ」と題されたのは、マティスはこの音楽の即興性と活気に、切り紙絵の制作との類似点を感じていたからだと言われている
第8章 ヴァンス・ロザリオ礼拝堂(1948ー1951)
※写真撮影禁止エリア
建築、装飾、家具、オブジェ、典礼用の衣装などを含むこの総合芸術のために、マティスはドローイング、彫刻、切り紙絵などこれまで探求してきた技法を駆使して、光と色と線が融合する空間を目指しました。
会場では巨大なスクリーンに4K映像でロザリオ礼拝堂の映像が流れています
朝、午後、夜。それぞれ表情を変えるヴァンスとロザリオ礼拝堂の美しさを堪能できます
おわりに(探求心を失わないってスゴい)
「マティス展」は会期半ばの平日の訪問にもかかわらず大変な盛況ぶりでした。
生涯をとおして絵画表現の探求を続けたマティス。
最期はベッドの上や車椅子にのって制作に取り組んだそうです。
一人の画家に焦点をあてた展覧会の醍醐味は、その画家が歩んだ歴史をまるごと堪能できること。
戦争による苦難の時代でも、絵画や芸術への探究心を失わなかったマティスの生涯に、ただただ感服するばかりでした。
私はこれまで絵画を鑑賞して涙を流すことはなかったのですが、今回初めて鑑賞中に感動で体中がしびれ、目頭が熱くなりました。
アンリ・マティスの初期~晩年の作品が時代順に鑑賞できる「マティス展」。
会期2023年8月20日までです。ご興味のある方はぜひ。☺
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