本の紹介「愛情漂流」作家・辻仁成さんの小説を読んだ感想②

本のこと

こんにんちは。

アラフォー独女のMOMOです。(プロフィールはこちら)

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前回の記事でもお伝えしたように、作家・辻仁成さんの小説にハマっています。

よろしければこちらの記事もお読みください☺↓

恋愛小説「十年後の恋」を読んで以来、せっせと辻仁成さんの小説を読んでいます。

数多くある辻仁成さんの作品の中から、今回は愛情漂流をご紹介します。

こちらは2019年に竹書房から発売された、辻さんの20年ぶりの書き下ろし恋愛小説ということで手にとりました。

表紙のイラストとタイトルが絶妙にマッチしていて、装丁もオシャレ♪

パッとみ女性なんだけど、よーく見ると男性にも見えてくる不思議な装画も魅力です!

最近になって辻さんの小説を読み始めたばかりのにわか読者ですが、独断と偏見で感想を書かせていただきました。

長年の辻さんファンの方、失礼がありましたらどうか、どうかお許しください。m(__)m

この記事はこんな人におすすめ です♪

  • 本・読書が好きな人
  • 辻仁成さんの小説に興味がある人

愛情漂流(あいじょうひょうりゅう)

  • タイトル 「愛情漂流」
  • 著  者  辻 仁成(つじ ひとなり)
  • 出 版 社  竹書房
  • 発 行 日  2019年5月31日
  • 装  画  小野塚 カホリ

作品紹介

物語の舞台は現代の東京。

子供が同じ幼稚園に通う、どこにでもいそうな30代の二組の家族。

  • 理沙(愛も性も求める妻) 芽依汰(愛はあるけれど性などいらない夫) 二希(娘)
  • 早希(性も愛も超えた魂の結びつきを求める妻) 淳志(性のために愛を見失う夫) ミミ(娘)

パートナーに対する違和感と物足りなさから、二組の夫婦の運命は大きく変わっていく。

同書は二部構成となっており、第一部は四人の男女それぞれの視点から物語が展開する。

愛・性愛・不倫・精神の結びつき・家族・セクシュアリティ

それぞれが互いに欠けているものを求め合いながら、二組の家族は複雑に絡みあい、人生の海を漂流する。

第二部は第三者によって、二組の家族のその後が語られる。

家族の形を変えながら、それぞれの海を漂う男女4人とその子供たち。

突然の出来事をきっかけに、ついに二組の家族が辿りついた漂流地とは⁉

読んだ感想

  • 第一部は4人それぞれの一人称で心理描写のみを中心に物語が展開するので、感情移入しやすい
  • 陸地を求めて漂流する二組の家族の姿をとおして、なぜか少しだけ自分を肯定できる気持ちになった

第一部は「理沙→芽依汰→淳志→早希」の順に一人称で語られていきます。

4人それぞれの心理描写のみで物語が展開していくため、キャラクターに感情移入しやすく、読みながら先が気になって仕方がなかったです。

この物語はきっと、読み手によって共感できるキャラクターが全然違うのではないでしょうか?

私の場合は…

4人のうち100%共感きるキャラクターはいないけど、しいて言えば芽依汰かな?

などと無意識のうちに、自分とキャラクターとの類似点を探している自分がいます。

テンポよく物語が展開していくので、集中力がない私でもいっきに読んでしまいました。☺

二組の夫婦の肉体的、精神的な不倫や交わりがテーマのこの物語を読みながら…

4人の中で一番悪いのは、一体誰なのかな?

と、考えてみたのですが…

しかしいくら考えても、一番の悪者が誰なのか答えが出ませんでした。

4人が同じくらい悪くて、同じくらい悪くないのです。

第二部ではガラッと変わり、三人称で二組の家族が漂流地に辿り着くまでの姿が描かれます。

どこに流されるのかわからないまま、人間はこの人生の大海を漂流している

  • 結婚して親になろうと、人は人生を漂流している
  • そして辿り着いた大陸も、一時的な着陸に過ぎない

第三者によって語られるこのメッセージが、この本で最も共感できる点だったかもしれません。

着陸できる大陸を求めて、人は人生の大海を漂流するとういう概念に哲学のようなものを感じずにはいられませんでした。

そうして見つけた大陸も、一時的な漂流地にすぎないのかも…と思うと、

人生はどこまでいっても諸行無常なのね

そんな潔い諦めのような、何かがふっきれたような読後感を私に与えてくれました。

そして未だに漂流しまくっている自分自身の人生を、ほんの少しだけ肯定できる気持ちになれた小説でした。

おわりに

私は小説「愛情漂流」を読んで、自分自身が抱えていた根なし草のような感覚をはっきりと自覚することができました。

そしてそんな自分を認め、少しだけ肯定できたような気がします。

本を読むことの醍醐味は、第三者の人生や哲学にふれ、思わぬところで自分自身が求めていた答えと出会えることかもしれません。☺

突然ハマってしまった作家・辻仁成さんの小説。

今は芥川賞受賞作「海峡の光」を読んでいます。

またこのブログで紹介できればと思いますので、よろければお付き合いください。

辻さんのファンの皆さま、お薦めの作品がありましたらご教授くだると嬉しいです!m(__)m

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ここまでお読みいただいてありがとうございます。

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