本の紹介「永遠者」作家・辻仁成さんの小説を読んだ感想④

本のこと

こんにんちは。

アラフォー独女のMOMOです。(プロフィールはこちら)

* * * * *

作家・辻仁成さんの小説を紹介するシリーズ第4弾です。

今回は2012年に文芸春秋から発売された「永遠者」のご紹介です。

私は2015年に文春文庫から発売された文庫本で「永遠者」を読みました

文庫本はつね1冊にバッグに入れています。スキマ時間にサクッと読めて便利♪

正直言って、本の装丁から想像していたストーリーとは全く違う物語でした。

「永遠者」を読んでいる最中、まるで自分がタイムトラベルをしているような

不思議な感覚にとらわれていました。

この記事を書くにあたって、この小説の書評や感想をググったところ

賛否両論がありましたが、私にはとても面白くインパクトが強い小説でした。

そして「永遠者」についての記事を書かないことには、私自身が

次にすすめない気がしたので、今回ご紹介することにしました。

よろしければこちらの記事もお読みください☺↓

この記事はこんな人におすすめ です♪

  • 本・読書が好きな人
  • 辻仁成さんの小説に興味がある人

永遠者(えいえんしゃ)

作品紹介

物語の主人公ザマ・コウヤは若手外交官として19世紀末のパリに駐在していた。ある日キャバレーで、美しくて個性的な踊り子カミーユと出会い、日本に親が決めた許婚がいるにもかかわらず、激しい恋におちる。だが、その踊り子は、永遠に年をとらない女性だった――。

二人は彼女たちの世界の「儀式」で結婚して将来を誓い合い、不老不死の体で20世紀をある時は一緒に、また何度となくすれ違いながら生きていくことになる。

日本に強制的に帰らされ、許婚と結婚したコウヤ。時代がすぎて妻は年老い、娘も老いていくなか、限りない生を生きるコウヤは孤独を抱えながら愛を求めつづける。

20世紀の日本の栄光と衰退を時代背景に、「永遠」と「愛の本質」に作家が真摯に向き合い挑んだ、傑作長篇小説。

文藝春秋Booksホームページより

物語は1899年末、パリ万国博覧会をひかえたパリから始まります。

永遠の命をもつ踊り子カミーユ「儀式」をへて永遠の命をえた主人公のザマ・コウヤ

1900年パリ万博第一次・第二次世界大戦、1970年大阪万博

2001年ニューヨークの同時多発テロ、2011年東日本大震災まで。

時代の節目となった出来事をからめながら、ストーリーは展開します。

永遠の命を手にしたカミーユとコウヤ。

ときには激しく求め合い、ときにはすれ違い、

運命に導かれながら、100年を超える時を生きる2人。

ラストは衝撃的な結末が…‼

感想

ロマンティックな恋愛物語だと思ったら全然違った

物語は1899年末、若手外交官としてパリに赴任しているザマ・コウヤ

ムーラン・ルージュで個性的な踊り子カミーユと出会うところから始まります。

侍の子孫であるコウヤに惹かれるカミーユは、妖艶な色気でコウヤに近づきます。

最初は「ちょっと大人の恋愛物語なのかな?」と読みすすめていくと全然違いました💦

「永遠の命」とか「儀式」とか「ヴァンパイアの末裔」とか…

オカルトっぽい響きに一瞬おじけづきましたが、この物語の展開がどうなるのか

予想ができなずぎて、どんどん引き込まれていきました。

約100年の歴史を辿りながらタイムトラベルをしているような感覚

「儀式」を通過し、永遠の命を手にしたザマ・コウヤはパリ、ニューヨーク、日本で

100年を超える時を、若いまま生きることになります。

物語と添うように、実際に起きた歴史上の出来事が展開していきます。

パリ万博世界恐慌戦前・戦後の日本大阪万博など

ページをひらいて読み進めるたびに、自分が生まれる遥か以前の世界に

自らが立っているような、不思議な錯覚におそわれました。

さらに物語は9.11同時多発テロ事件3.11東日本大震災とすすみます。

生まれる前の歴史上の出来事と、実際に体験した出来事が、ひとつの線でつながり、

まるでタイムトラベルをしているような、不思議な感覚を楽しめました。

妻子や友人が年齢を重ねるなか、永遠の命を持つ主人公の苦悩とは

「永遠者」を読んで考えたことは…

不老不死を手にするって、とんでもなく孤独になるってことなんだ

なぜこんなことを考えたのかというと、物語の中盤から後半にかけて、

永遠の命を手にしたコウヤの苦悩と孤独が、ヒシヒシと伝わってきたからです💦

一回り近く年下だった妻は老婆になり、娘さえも自分の見た目年齢を超していきます。

コウヤだけが若い姿のままで、家族も友人もみな年老いて亡くなっていくのです。

親しい人の死を何度も見送りながら、自分だけが人間としての営みを永遠に続ける…

それって恐ろしく孤独だと思いませんか?😱

この世には限りがあるからこそ、一瞬一瞬に価値があり、生きることが輝く

そんなメッセージを、この物語から感じることができました。

ラストが衝撃的。コウヤとカミーユのその後が知りたい

カミーユコウヤと出会った時点で、すでに170年生きています。

コウヤと出会ってから、さらに100年以上生きているのですから、カミーユは300年近く生きていることになります。

いくつもの時代の転換点と、人間の愚かさを目撃してきたカミーユは、

次第にある野望を抱き始めます。

そして彼女の野望に気がついたコウヤは…⁉

ラストはちょっと衝撃的な終わり方をするのですが…

その先が気になって仕方ない🤣

カミーユコウヤのその後の物語を、辻さんが描いてくださることを願うばかりです。

基本的にネタバレしないようにかいておりますので、気になる方はぜひ読んでみてください。☺

辻仁成さんの最新作はこちら↓

おわりに

「やっと書けた…」

いま、この文章を書きながら安堵しています。

理由は、「永遠者」の感想をどうやって書いたらいいのか分からなかったから‼

この記事は作家・辻仁成さんの小説を紹介するシリーズ第4弾になりますが、

個性的な作品が多い辻さんの小説は、感想を書くことが難しいのです💦

読んだはいいけど、記事にできなかった小説もあります。

「この小説の感想を書くなんて、私には無理だよぉ…(*´Д`)」

そう思う時間が長すぎて、実際に読んでからしばらくの間がありました。

だけどこの記事を書かない限り、次に進めないような気がしたので

拙い文章ですが、思い切って書くことにしました。

この小説の魅力を伝えられたのか、ハッキリいって超不安ですが、

ここまで読んでくれた方に感謝申し上げます。

不思議な魅力のある「永遠者」。気になる方はぜひお手にとってみてください。☺

ここまでお読みいただいてありがとうございます。

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