こんにんちは。
40代独女のMOMOです。(プロフィールはこちら)
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朝井まかてさんの小説「グロリア ソサエテ」のご紹介です。
「グロリア ソサエテ」は百年前の京都を舞台にした小説です。
宗教哲学者で「民藝」の世界を切り開いた柳 宗悦(やなぎ むねよし)の家に住み込む
女中(お手伝いさん)サチの目線で物語が語られます。
こちらが柳 宗悦さん↓

※日本民藝館様の公式サイトはこちら
戦前の日本の文化と生活の息遣いが、紙面から立ちのぼってくるような小説、
「グロリア ソサエテ」の紹介と個人的な感想です。

この本はこんな人におすすめです☺
- 歴史や評伝小説が好きな人
- 大正から昭和初期の文化や風俗に興味がある人
- 暮らしのなかの日用品や道具などにこだわりがある人
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グロリア ソサエテ
タイトル 「グロリア ソサエテ」
著 者 朝井 まかて
出 版 社 角川書店
発 行 日 2025年12月12日
※こちらの記事は可能な限りネタバレしないように書いています。
実在した登場人物たち
- 柳 宗悦(やなぎ むねよし(そうえつ))…1889年東京生まれ。武者小路実篤、志賀直哉らとともに文芸雑誌『白樺』を創刊。宗教哲学者・美術評論家で、民藝(民衆的工芸)運動の創始者。名もなき職人が日常のためにつくった器や道具にこそ、実用と美が融合した本当の美があると説き、工芸の価値を再評価した
- 河井 寬次郎(かわい かんじろう)…1890年島根県生まれ。陶芸家で、実用の中にある美を重視した民藝の代表的人物。宗悦の「無名の陶工の美」という思想に深く共鳴し、民藝運動を実践面から支えた
- 濱田 庄司(はまだ しょうじ)…1894年神奈川県生まれ。陶芸家で、宗悦とともに民藝運動の興隆にあたった。1955年に人間国宝に認定
- 柳 兼子(やなぎ かねこ)…声楽家・アルト歌手で、柳宗悦の妻。各地で自身のリサイタルを開催し金銭面でも宗悦を支えた
※写真は日本民藝館様の公式HPよりお借りしています。↓

あらすじ
大正13年、物語の語り手である少女サチは関東大震災で家も家族も失い、
流れついた京都で柳宗悦の家で住み込みの女中として仕えます。

兄の影響で雑誌「白樺」を愛読していたサチにとって、
奉公している柳家の主があの柳宗悦と知って驚きます。

この柳家で陶芸家の河合寛次郎の訪れを機に、英国帰りの濱田庄司と宗悦の男3人の交流が始まります。
彼らは「下手物(げてもの)」と呼ばれる日用品に自由な美を見出し、
それらを「民藝(みんげい)」と名付けるのです。

朝市で泥や埃にまみれた布や陶器に感嘆し、はしゃぐ三人の姿とそれに寄り添い歩く妻の兼子。
「グロリア ソサエテ」
そんな彼らは真に「輝ける仲間たち」だと思いを馳せるサチなのでした。
感想
戦前の日本は「必要無駄」にあふれた暮らし
百年前の京都を舞台に描かれた本作を読んでいて感嘆したことは
「戦前の日本はこんなにも文化的だったのか」ということです。

機能的な側面を求める現代の生活とは違う、必要な無駄にあふれた生活が物語のなかに散りばめられています。
装飾品だけでなく日々暮らしに必要な道具や着物までもが、日々の生活空間の調和を乱さぬよう配慮された柳家の暮らしぶりは
戦前の日本はこんなにも無駄な余白を楽しむ余裕があったのだと改めて知りました。
細やかな料理とそれを盛る器の描写
宗悦の妻、兼子が女中のサチとばあやに日々の献立の采配をするシーンが物語のところどころであるのですが、読んでて飽きさせないのです。
豪華ではないけれど細やかな気遣いにあふれた日々の献立や、おもてなし料理の数々。
それらを盛る九谷・伊万里・李朝の染付などの選び抜かれた器たち。
その美味しそうなこと!
日々の暮らしを丁寧に生きる登場人物たちの息遣いが聞こえてくるような、
読みながら目を閉じて、そんな錯覚に身をゆだねるのも楽しい時間でした。

語り手「サチ」の絶妙な変化が面白い
個人的に興味深かったのは物語の語り手であるサチの変化です。
サチは宗悦の家で奉公をしながら文化のシャワーを浴び、それらを吸収してくという点でも成長していくのですが、別の面での成長が興味深かった。(笑)
女中として上司にあたるばあややおおばあやに揉まれながら真面目に勤め励むサチですが、
物語が進むにつれ彼女たちに対するサチの物言いが絶妙に変化してゆくのです。
「少女だったサチがどんどん逞しくなっていく」
大人の女性へと成長するサチが、ときには皮肉をまじえながらばあやと応戦するやりとりに、妙に人間味を感じて面白かったです。
おわりに(良い本に出会えた感動)
「グロリア ソサエテ」を読み終えたとき、良い本に出会えた感動がありました。
朝井まかてさんの作品を読んだのはこれで2回目で、今回はたまたま手にとったのですが、
「なんて良い本だんだろう」という感動と出会えた嬉しさの余韻が残ったのです。
正直、この本の紹介や感想を私の拙い文章で言語化する自信がなくて、やっとの思いでこの記事を書いたのですが
読書の楽しさや感動を、みなさまと共有できたら嬉しいです。😊

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