本の紹介「愛のあとにくるもの」辻仁成さんの小説を読んだ感想⑥韓国でドラマ化

本のこと

こんにんちは。

40代独女のMOMOです。(プロフィールはこちら)

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作家・辻仁成さんの小説を紹介するシリーズ第6弾です。

今回は2006年に幻冬舎から発売された「愛のあとにくるもの」のご紹介です。

「愛のあとにくるもの」は日本人男性と韓国人女性のあいだの切ない恋愛を描いた物語です。

男性側の視点を辻仁成さんが、女性側の視点を韓国人気ベストセラー作家コン・ジヨンさんが共著した同名小説です。

こちらの作品は坂口健太郎さん、イ・セヨンさん主演で韓国でドラマ化が決定しており、2024年2月現在、撮影中のようです。

韓国ドラマ「愛のあとにくるもの」は、韓国のECサービス「COUPANG」が運営する動画配信プラットフォーム「COUPANG PLAY」のオリジナルシリーズとして製作・配信予定

※詳しくはこちら→映画ナタリー

男性側の視点から描かれた小説「愛のあとにくるもの」のご紹介です。

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愛のあとにくるもの

  • タイトル 「愛のあとにくるもの」(2024年韓国でドラマ化決定)
  • 著  者  辻 仁成(つじ ひとなり)
  • 出 版 社 幻冬舎
  • 発 行 日 2006年3月15日

※こちらの記事は可能な限りネタバレしないように書いています。

作品紹介

東京とソウルを舞台に、男性側の視点を辻仁成さんが描いた恋愛小説。

あの日、ぼくは井の頭公園の池の辺りを歩いていた。桜が終わり、公園中の木々の葉が青々と繁って笑っていた。

雪のように桜が舞い散る日。

失恋したばかりの潤吾(じゅんご)は、井の頭公園の木橋のうえで、

白い服を着た女、紅(フォン)と出会います。

アクセントのない日本語を話す紅は韓国人でした。

「日本に住んでいるの?それとも旅行?」

「分かりません。住むべきか、通り過ぎる場所にした方がいいのか。ここが好きになるのかさえ…」

恋人のカンナに一方的にふられ、暗く沈んでいた潤吾は、明るく爽やかの紅の笑顔に引き寄せられるように、2人は急速に接近します。

恋に落ちた若い潤吾と紅は、2人でいればまるで“無敵”かのようでした。

同じ部屋で暮らすようになった潤吾と紅は、すべてが愛に満ち足りた時間を育みます。

しかし、生活のためアルバイトに追われる潤吾と、お嬢様育ちの紅の間に、

やがて小さなほころびが生じます。

出会ったときからずっと、自らを追い込むように走り続ける紅。

その裏にひそむ、文化が違う異国で生活する紅の深い孤独を、

潤吾は気づいてあげることができませんでした。

小さなほころびは、やがて大きな亀裂となり、別れは突然やってきます。

紅が韓国に戻ってしまったあと、潤吾はようやく紅が抱えていた孤独に気がつくのです。

そして紅が日本で抱えた孤独を深く理解したいと望む潤吾は、やがて走り始めます。

最愛の恋人、紅と同じように…

7年後のソウル。

2人はまるで奇跡のように出会います。

7年間、紅を思いつづけた潤吾は、戻ることがない2人の距離に絶望しつつも、

自らの気持ちを紅に伝えるために、行動します。

7日間のソウルの滞在で、2人の男女の愛に奇跡は起きるのか…

感想

「異なる文化と歴史を持つ」ということの重さ

外国人と交流するときに感じる「文化の違い」

多くの方が一度は感じたことがあると思いますが、恋人や配偶者などの深い中になればなるほど、

その違いは大きなものになるのではないでしょうか?

日本人の潤吾と韓国人の紅の関係の中にも、この「文化の違い」が横たわっていました。

外見的には明らかな違いがなく、過去の歴史に問題を抱えた両国の間の「文化の違い」の壁は、

一見似ているからこそ、よりいっそう高いのかもしれない…

そんなことを改めて感じた作品でした。

恋愛が始まった絶頂期には、何の影響も与えなかった「異なる文化と歴史的背景を持つ」ことが、

ほころび始めた2人の関係に、大きな影を落としていくようになる。

その過程の描写がリアルで、読んでいて息が詰まるような感覚に襲われました。

男性目線で描かれているので、潤吾の心情の方が理解しやすいかと思いきや、

日本人の恋人に対する韓国人の紅の複雑な心の揺れを、同じくらい感じた作品でした。

潤吾だけではなかった。7年間も別れた恋人を思い続けたカンナの存在

それにしても別れた恋人を7年間も思い続ける潤吾ってすごくないですか?

と思いきや、実はこの作品にはもう1人いるのです。(笑)

潤吾と紅が出会う前の、潤吾の元恋人のカンナです。

しかもカンナの方から一方的に潤吾を振っておいて、

「やっぱり私が間違ってたから許してね。私たちやり直しましょう」的な軽いノリで、

再び現れたと思いきや、それから7年間も潤吾を思い続けるカンナ。

しぶとい…(そんな女性いるかな??)

カンナの存在にいまいち現実味を感じられなかったのですが、

強烈な個性を持つ元恋人のカンナの存在が、無口な潤吾と紅の恋愛物語の中で際立っていました。

作中の情景を肌で感じられる小説

「愛のあとにくるもの」を読んで強く感じたのは、作中の情景や空気感です。

ソウルに流れる漢江川の雄大さや、そびえる南山の荘厳さが目に浮かんでくるのです。

とくに舞台となっている冬の韓国の冷たい空気感が肌にささってくるようでした。

薄靄がかかるユンドル公園の池の周りを、冷たい空気を吸い込みながら走る潤吾と紅の息づかいを感じながら、

どこか遠くの茂みに隠れて若い2人を見守っているような、そんな感覚のまま最後まで読み終えました。

おわりに(韓国ドラマ化、気になる配役)

冒頭でもふれたように、「愛のあとにくるもの」は韓国でドラマ化が決まっています。

読み終えてみると主人公の潤吾を演じるのが坂口健太郎さんだなんて、

イメージがピッタリすぎてますます気になります。

紅を演じる韓国の女優さんイ・セヨンさんもいいカンジ。

こうなってくると俄然気になるのが、「カンナ役は誰が演じるのか?」です。

カンナは日本人なので、日本の女優さんが演じるのだと思いますが、

あの強烈なキャラクターに抜擢されるのが誰なのか、楽しみでもあり気になるところです。

ドラマが気になる方は、ぜひ原作小説「愛のあとにくるもの」を読んでみてはいかがでしょうか?

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