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みなさまには読書の原風景になっている一冊はありますか?
私は十代の頃に読んだ本「リトル・トリー」というネイティブ・アメリカンの少年と祖父母の物語が私の読書体験の原風景になっています。
このブログは、「リトル・トリー」の翻訳者の方から受け取った、人生で一番心に残る手紙と私の読書の原風景となった本についてのお話です。
読書の秋に、みなさまの読書の思い出と人生で一番心に残る手紙を思い出すきっかけになってくれたら嬉しいです♪
「リトル・トリー」~私の読書の原風景~
【リトル・トリー ~The Education of Little Tree~】について
- 著者:フォレスト・カーター
- 翻訳者:和田 穹男 (←この方からお手紙を頂きました)
- 挿画:藤川 秀之
- 出版社:株式会社めるくまーる
- 出版日:1991年11月30日(初版)
<作品メモ>
- 遠くチェロキー・インディアンの血を引く、著者のフォレスト・カーターの心の原郷であるネイティブ・アメリカンの世界をみずみずしい少年の感覚に託してうたいあげた作品。
- 「リトル・トリー」は祖父から授けられた著者のネイティブ・アメリカンネーム。
(この本ではネイティブ・アメリカン=インディアンと書かれています。)
<あらすじ>
五歳で両親をなくした少年「リトル・トリー」がチェロキー・インディアンの血を引く祖父母に引き取られるところから物語が始まります。母なる大地に抱かれた大自然の中で、祖父母の愛情に見守られながら、少年が 「 チェロキーのおきて 」 を学びながら成長する物語。
この本を読んだ当時のこと・翻訳者へ送った手紙
私がこの 「リトル・トリー」 を読んだのは高校生の時です。
当時聴いていたラジオのDJが、この本をすすめていた事が読んだきっかけでした。
ネイティブ・アメリカンの少年の目から描かれる眩いばかりの自然と、主人公の少年が学ぶ 「 チェロキーのおきて 」 から、なにか自然への畏敬のようなものを感じたのを覚えています。
そして時に厳しく、優しく見守る祖父母の孫への温かい愛情に、当時亡くなったばかりだった自分の祖母の姿を重ねていたのかもしれません。
この本を読んだ私は、ネイティブ・アメリカンの人々の思想や歴史に興味を持つようになりました。
地元で一番大きな書店で、 ネイティブ・アメリカンに関する本を探しましたが、残念ながら当時の私の好奇心を満たす情報は見つかりませんでした。
今のように簡単に情報を手に入れられる時代ではありませんでした。また、まだ高校生だった私はその術を知りませんでした。
そんな不完全燃焼だった私がとった行動こそが、この本の翻訳者の和田穹男さんに手紙を送るということでした。
今では信じられませんが、二十〇年前に購入したこの本の巻末には、翻訳者の方の住所が掲載されていました。(+_+)
当時の私がどのような内容の手紙を書いて送ったのか、今では詳しく覚えていません。
ですが 「リトル・トリー」を読んでいかに感動したかとか、思春期ならではの他愛のない悩みを書き綴ったような、若さゆえのひとりよがりな手紙だったと記憶しています。
本当にお恥ずかしい、若気の至りです。”(-“”-)”
翻訳者の和田穹男さんから届いた手紙
そのファンレターのような手紙を送ってから、ずいぶんたった頃、ポストに1通の手紙が届きました。
見事な文字が書かれた、タテ型の封筒を手にした私は、
「誰からだろう?」と一瞬、頭をめぐらせました。
手紙を送ってから、数か月が過ぎていたこともあり、私はすぐには誰からの手紙か分からなかったのです。
しかし、その封筒を開封し、タテ書きの便せんに筆で書かれた達筆な文字を見た瞬間、
「あ、あの翻訳者の人だ!」と気がつきました。
まさか返事がくるとは考えてもいなかった私は、夢中でその手紙を読みました。
そこには、本に書かれていた住所から転居してしまい、私からの手紙に気付くのが遅れ、返事が遅れてしまったことへのお詫びが丁寧に書かれていました。
そして、「まだ若いあなたも リトル・トリー のように幹をいっぱいに広げながら、大きな木に成長してください」というような内容が書かれていました。
残念ながらこの手紙は、そのあとの何度かの引っ越しの中で失くしてしまい、今はもう手元にありません。
こんな大事な手紙を失くしてしまった当時の自分の愚かさが悔やまれるのですが、今でもあの丁寧に書かれた文字と、 和田穹男さんの優しいお言葉を、時おり思い出しています。
そして何より、まだ高校生だった私に、こんなにも丁寧で温かい手紙を書いてくださったことに、とても感動したことを覚えています。
この本「リトル・トリー」は、私の人生で一番大事な手紙の記憶とともに、今でも私の手元にある大切な一冊です。
おわりに
まだ若く幼い頃に読んだ本や手紙は、大人になって読んだそれよりも、まるで故郷の風景のような大切な記憶として私の心に残っています。
きっと、このブログを読んでくださっている皆さまも、このような読書の経験や手紙をお持ちではないでしょうか?
秋の夜長に、皆さまの 読書の原風景 と人生で一番心に残る手紙を思い出すきっかけになれば幸いです。
最後に、翻訳者の和田穹男様、ステキなお手紙どうもありがとうございました!
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ここまでお読みいただいてありがとうございます。
よろしければまたお立ち寄りください♪
コメント
「リトル・トリー」は私の本棚にもあります。
大切な物語です。
お手紙、なくされたのはとても残念でしたけれど、素晴らしい経験だと感じました。
ねこまたぎ様、ありがとうございます。
私の周りにはリトル・トリー読んだ人がいないので嬉しいです♪