こんにんちは。
アラフォー独女のMOMOです。(プロフィールはこちら)
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最近、作家・辻仁成さんの小説にハマっています。
今回は辻仁成さんの最新の作品の「十年後の恋」をご紹介します。
コロナ禍以前と以後のパリを舞台にした大人の恋愛小説です。
そして作家・ミュージシャン・映画監督・愛情料理研究家(?)など多方面で活躍されている辻仁成さんの魅力と、この本を手にとったきっかけをお話しします。
芥川賞作家の辻仁成さんの作品を約15年ぶりに読みました。
そしてなぜか今、辻さんの魅力にハマっています!
この記事はこんな人におすすめ
- 本・読書が好きな人
- 大人の恋愛小説を読みたい人
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「十年後の恋」大人の恋愛小説
- タイトル 「十年後の恋」
- 著 者 辻 仁成(つじ ひとなり)
- 出 版 社 ㈱集英社
- 発 行 日 2021年1月30日
作品紹介
日本人の両親を持ち、パリで生まれ育ったシングルマザーのマリエ。
元夫と離婚後、2人の娘の育児と仕事に追われ、懸命に生きる日々を過ごす。
離婚から十年が過ぎたころ、謎めいた年上の紳士アンリ・フィリップと運命の出会いを果たす。
物語はコロナ禍以後の世界から、コロナ禍以前の世界を回想する形で始まる。
ウィルスに翻弄されながら、愛と恋の狭間を漂うマリエとアンリの愛の軌跡を描いた、大人の恋愛小説。
アンリへの愛情と、拭いきれない不信感に揺れるマリエ。
最後は意外な結末が…⁉
感想
女性の心理描写がリアルすぎて、途中で女性作家の作品なのかと錯覚してしまう
「あれから十年の歳月が流れた。そして、私はようやく恋をした。」
シングルマザーとなり、2人の娘を育てるために「鉄の女」と呼ばれたマリエが十年ぶりにアンリに恋をします。
2人が出会い、互いに意識しながらも距離を縮められずにいるマリエのもどかしさが、
「これって女性作家の小説だっけ?」
と錯覚するほど、女性の心理が巧みに描写されています。
ようやく訪れた恋に夢中になるマリエの幸福感は、
「人を好きになると、世界がいっきにバラ色に見えたよな~」
と共感せずにはいられません。
(過去形なのが悲しい。。)
ウィルスは人と人との間を隔て、コロナ禍以前と以後で価値観は大きく変わりました。
コロナ禍以前と以後のリアルなパリの空気感は、実際にフランスで20年以上も暮らしてこられた辻さんだからこそ描けたのでしょう。
パリの大人の恋愛模様にハラハラしながら、最後は予想外の展開が待っています。
最後にマリエが下す大きな決断に、共感できるかどうかは意見が分かれるのところでは?
ちなみに私は、最後のマリエの決断に…
「え!なんでぇぇー⁉」と思わず声を出してしまいました💦
意外な結末ではありましたが、読後は温かいものに包まれているような不思議な感覚になりました。
作家・辻仁成さんの小説を手にとった、きっかけと魅力
辻仁成さんと言えば、作家・ミュージシャン・映画監督・愛情料理研究家などマルチな才能で活躍されています。
現在は高校生の息子さんと2人パリに住んでおられ、Twitter・インスタグラム・YouTubeでも
パリの生活や情報、辻さんの音楽を発信していらっしゃいます。
しかしアラフォー世代の私にとって、辻仁成さんはミポリンの元旦那様という印象が強く、これまであまり彼の作品を読んだことがありませんでした。
そんな私が辻仁成さんの小説に興味をもった2つのきっかけと魅力を紹介します
きっかけ① NHK「ボンジュール!辻仁成の春のパリごはん」
今年の夏にNHKで再放送された「ボンジュール!辻仁成の春のパリごはん」という番組をみたことが、作家としての辻仁成さんに興味を持ったきっかけです。
この番組はその後シリーズ化され、続編の「 ボンジュール!辻仁成の秋のパリごはん」もすでに放送れています。
(現在は冬編の撮影をされているようです。😆)
この番組に登場する、パリならではの季節ごとの食材を使った辻さんの手料理が信じられないくらい美味しそうなのです!
思春期の息子さんと2人で暮らす日々の葛藤や、パリに住む人々との交流が、とても自然な雰囲気で描かれています。
この番組の映像のほとんどが辻さんご自身の自撮り撮影によるものなのだとか!
本庄まなみさんのナレーションと、パリの街並みもとってもマッチしています。
人の心に寄り添うような、ほのぼのと、しみじみとしたこの番組が作家・辻仁成さんに興味をもつ最初のきっかけとなりました。
きっかけ② Webマガジン「Design Stories」
辻仁成さんはWebマガジン「Design Stories」(デザインストリーズ)を運営されています。
「Design Stories」の中で辻さんは、パリでの日常や人々とのふれあい、息子さんとの生活を綴った「JINSEI STORIES」を執筆されており、これが何とも面白いのです!!
この日記で、私は辻さんの文章に完全にハマってしまいました!
パリでの日々が、色鮮やかに、ときにはちょっと可笑しく、ときには切なく綴られています。
また、シェフなみの料理の腕をお持ちの辻さんの、お料理の写真がとっても美味しそう!
日々の食事をとおして息子さんとの絆を深めているという辻さんの、愛情たっぷりの家庭料理の数々が日記の中で度々登場します。
(お料理のレシピも時々この日記で紹介してくださいます☺)
辻さんの手料理やパリの写真をながめながら日記を読んでいると、なぜか泣けてくるのです。
行ったこともないパリのカフェの片隅に佇む人々の会話や、雑踏を行きかう人々の息づかいが聴こえてくるような感覚にとらわれることがあります。
そして親子2人が黙々と食事をしている、辻家のパリのアパルトマンのキッチンに、自分も存在しているような不思議な感覚になるのです。
そんな辻仁成さんの日記のとりこになったことで、辻さんの小説を読んでみたいと思うようになり、
最初にこの「十年後の恋」を手に取りました。
辻さんのお料理の本はこちら↓
おわりに
辻仁成さんの小説を初めて読んだのは今から約15年前、まだ私が20代の頃でした。
実を言うとその頃の私には、その小説はあまりピンとこず、それ以来辻さんの作品を読むことはありませんでした。
今回紹介した小説「十年後の恋」を私は乳がんの再検査の順番を待つ、病院の待合室で読みました。
病院での気が遠くなるほどの長い待ち時間を、この物語と一緒に過ごしたことで、私は不安をほとんど感じることなく過ごすことができました。
(乳がん検診に関する記事はこちら)
15年の時を経て読んだ辻仁成さんの文章は、私の心にそっと寄り添ってくれるような温かさを与えてくれました。
それ以来、辻さんの小説にすっかりハマっている今日この頃です。📖
辻さんの別の作品も、またこちらのブログで紹介させて頂きますので、お読み頂ければ嬉しいです☺
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