こんにんちは。
アラフォー独女のMOMOです。(プロフィールはこちら)
* * * * *
今回は人気作家・林真理子さんの新作「李王家の縁談」のご紹介です。
こちらは雑誌・文芸春秋の2020年1月号~2021年4月号に連載された小説です。
李王家(りおうけ)とは?
- 李氏朝鮮の歴代国王を出した家系。韓国併合後は日本の王公族となり、皇族に準じる待遇を受けたが第二次世界大戦後の日本国憲法施行に伴ってその身分を失い(身位喪失)、サンフランシスコ平和条約発効後は日本国籍からも離脱した。
ご自身を「皇室フェチ」と仰る林さんの作品だけあって、戦前から戦後の日本の皇族について史実に基づいて描かた作品です
小説として面白いのはもちろん、皇族の歴史や文化も知ることができます!
この本を手に取ったきっかけは、林真理子さんご自身のYouTubeチャンネル「マリコ書房」で紹介されていたからです。
高校生の頃に林真理子さんの作品と出会って以来、林さんの小説やエッセイはよく読んでいました。
この動画をみたら「李王家の縁談」を読まずにはいられませんでした!
この記事はこんな人におすすめ☺
- 本・読書が好きな人
- 戦前から戦後の皇族・華族について興味がある人
- 戦前から戦後の歴史に興味がある人
李王家の縁談(りおうけのえんだん)
- タイトル 「李王家の縁談」
- 著 者 林 真理子(はやし まりこ)
- 出 版 社 文芸春秋
- 発 行 日 2021年11月25日
作品紹介
この作品は戦前の皇族である梨本宮守正王妃の「梨本宮伊都子妃の日記」などの多くの参考文献に基づいて描かれた小説です。
※「梨本宮伊都子妃の日記 皇族妃の見た明治・大正・昭和」…小田部雄次著・小学館文庫
戦前から戦後に実在した皇族・華族の結婚や縁談について、梨本宮伊都子妃の目線から描かれています。
梨本宮守正王・伊都子妃の第一王女の方子(まさこ)女王が皇太子妃の候補から外れたことから、
母である伊都子妃は娘、方子の良縁を探すべく奔走します。
そして伊都子妃が選んだ相手は、伊藤博文によって少年期から日本に留学していた、
朝鮮の皇太子、李垠(いうん)王世子だったのです。
そしてこの縁談のために、伊都子妃が乗り越えなければならない様々な壁が立ちはだかります。
戦前の高貴な人々が避けては通れない縁談を軸に、やんごとなき人々の華やかな世界が、史実に基づいて展開していきます。
梨本宮伊都子妃(なしもとみや いつこ)とは?
- 日本の元皇族で梨本宮守正王の妃(鍋島直大侯爵令嬢)
- 筆まめで、1899年(明治32年)1月1日から1976年(昭和51年)6月3日までの77年間にわたって日記を付け続けた
感想
- 戦前から戦後にかけての日本と韓国の歴史を知るきっかけになった
- 戦前の華やかの皇族の文化・価値観が描かれていて、とにかく面白い
戦前から戦後にかけての日本と韓国の歴史を知るきっかけになった
多くの参考文献によって描かれている「李王家の縁談」は小説として面白いだけではなく、
戦前~戦後の日本と韓国の歴史についても知ることができます。
(巻末に主要参考文献だけでも30冊が記載されています)
登場人物が実在する人物ばかりなので、物語を読みながらスマホを片手に人物や歴史についてググりながら読みました!
「李王家の縁談」は梨本宮伊都子妃の日記を基に描かれているため、当時の皇族妃の目からみた物語です。
ですが、「こんな歴史があったんだ!」「日本の皇族ってこんなにいたんだ!」など
歴史を知るきっかけになり、自分でいろいろ調べながら興味深く読むことができました。
戦前の華やかの皇族の文化・価値観が描かれていて、とにかく面白い
物語では、明治・大正・昭和初期の皇族・華族の価値観や文化を垣間見ることができます。
例えば伊都子妃の娘、方子が嫁いだ李王家は当時天皇に準ずる扱いを受けていたため、
多額の財産を有し、夫妻は洋風の華やかな御殿で生活を送っていました。
作中では昭和天皇の妃選びについても描かれており、当時と現代の価値観の違いにも驚きす。
そして家柄や格を重んじる高貴な人々の結婚や縁談を中心に、当時の時代の空気感や価値観が伝わってくる、とても面白い物語でした。
おわりに(林真理子さんの作品との出会いと魅力)
林真理子さんの作品との最初の出会いは、私が高校生の時です。
学校の図書館で手に取ったエッセイ「食べるたびに、哀しくって・・」 (角川文庫)
山梨県ご出身の著者の幼少期~少女期と、上京してからの食の思い出にまつわるエッセイです。
作中に登場する、あんぱん・カレーライス・立ち食い寿司など、どれも美味しそうに描かれています
子供の頃から食いしん坊だった私は、この本に出会って以来、林真理子さんのファンになりました!
以来、林真理子さんの小説やエッセイをよく読んできました。
林さんの小説はどれも読みやすく、読み始めるとすぐに物語の世界に引き込まれてしまう魅力があります。
とくに20代の頃に読んだ、林さんご自身のお母さまをモデルにした「本を読む女」や、
元華族でで歌人の柳原白蓮の生涯を描いた「白蓮れんれん」は、本作同様、当時の時代背景や結婚・恋愛事情を垣間見ることができ、夢中で読みました。
余談ですが私は高校生の頃、武者小路実篤の小説に夢中になった時期があります。
のちに林真理子さんの「女文士」を読んで、女流作家の眞杉静江なる人物を知り、さらに武者小路実篤と愛人関係だったことに驚いた記憶があります。😅
長きにわたって第一線で活躍されている林真理子さんの、今後の作品にも目が離せない今日この頃です。📖
* * * * *
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
よろしければまたお立ち寄りください♪
↓ポチっとして頂ければ嬉しいです↓
コメント